Last Updated on 2023年10月4日 by side8
九州を起点にすると北海道は彼方だ。Kawsaki ZRX 400-IIで初めて北海道を旅したのが2003年、もう20年前。当時はまだ長旅に慣れてなかった。旅の途中資金が尽き、「日本最北端の地の碑」を目前に、残り約40kmの地点で引き返した。
※ 北海道ツーリングで使った初めてのデジカメが「FinePix1300 」。131万画素メモリ8M。当時持参したPCはPowerBook G3シリーズ。掲載している写真は当時のもの。確か、PHS持参でモバイル通信も準備したけど結局使わなかった。通信速度64×2の128k、SNSもなくチャットの時代だ。
季節は11月、降りしきる雨の中、財布の中身はガソリン代差し引いて数千円。深夜コンビニに立ち寄って、レジの女の子に「九州からバイクで来ました。北海道の道路状況がよく分かりません。雨降ってますが、この時期この辺り、道路の凍結、それに雪が降る可能性はあるでしょうか?。」と尋ねた。
「あります」
「稚内で宿を取れない場合、引き返した方が良いと思いますか?」
「もしも北海道に慣れていないのであれば、危ないかも知れません」
「分かりました。一服してどうするか決めます。有り難う御座います。」
そんな会話をした。
外でタバコを吸っていると缶コーヒーと肉まんを手に、「これで温まって下さい」と。
その優しさで撤退を決めた。「住み慣れた地元の人の声には耳を傾けるべきだろう」一晩中走り通し、雨も数日降り続いていた。もしも稚内で立ち往生すると宿に泊まる資金は残っていない。その季節の羆の危険性もよく理解しいなかった。「路面が凍ってないうちに来た道を帰ろう、いつかまた来ればよい」そう決めた。
あれから20年が経った。でも「日本最北端の地の碑」はまだ拝めていない。
北海道には嫌な思い出が一つもない。仙台からフェリーが同じだった札幌在住の心優しいおっさんライダー。タクシードライバーは事ある毎に「福岡から、よく来たね、事故のないように」と声をかけてくれた。都心は病んだドライバーが多く、よそ者を受け入れない土地もる。だけど大抵の場合常識を示せば見知らぬ旅行者でも基本歓迎してくれる。北海道も優しくて大らだった。
資金があれば直ぐにでも旅立つが、人生そう甘くはない。北上か南下か迷ったけど、次の目的地だけは決めた。北海道宗谷岬再挑戦。でもクリアするハードルが多くて嫌になる。そもそも手持ちのバイクは2年以上動いていない。今のバイクを整備して乗り続けるか、新しいバイクに乗り換えるか。最低三ヶ月は旅を続けたいので、資金もそれなりに必要。身の丈に合わせるとしても、望む旅には相応の金が掛かる。どちらにしろ地道に稼ぐしか道はない。雑にならず、一つずつ問題をクリアするしかないだろう。誰かに宣言する必要無いけど、挫けないようにここで。旅に向けてブログを再開しよう。一種の備忘録だ。