Last Updated on 2017年12月24日 by side8
「ナビィの恋」
1999年12月
監督 : 中江裕司
☆☆☆☆
沖縄版ミュージカルムービー、というと少し大袈裟かもしれないけど、舞台は粟国島、ナビィおばぁの恋物語。音楽が気持ち良い。曲は島唄だけでなく、アイルランドやケルト民謡など様々。サントラは見た当時直ぐに買った。劇中登場する嘉手苅林昌とアシュレイ・マックアイザックもアルバムを購入。
沖縄行かれた方はご存知と思うけど、ヤギや三線弾いてるおじいの姿は日常見掛ける。個人的に一番印象的だったのは、波照間島最終日の夜、やっと晴れたので、一人暗夜のサトウキビ畑を歩きながら港へ向かった。雲間から覗く夜空を眺め、静かな港に辿り着くとどこからか三線の音色と島唄が。そんなの、生涯忘れるはずがない。波照間の星と波の音、それに三線と島唄って。
粟国島はまだ行ったことがないので、次の沖縄ツーリングでは行こうと思う。
「ホテル・ハイビスカス」
2002年
監督 : 中江裕司
☆☆☆☆
ナビィの恋に続き監督中江裕司。今や沖縄映画と言えばこの人。舞台は米軍基地側ホテル・ハイビスカス。賑やかなファミリーの、少し不思議で平和な物語。露骨で偏った反戦歌や、ナルシシズム的な反戦物語なんかよりもよほど心に響く。
少しがさつだけど、先祖を思いやる優しい家族と沖縄音楽が愉快。オススメ。
「深呼吸の必要」
2004年5月
監督 : 篠原哲雄
☆☆☆☆☆
何度見たか分からない。宮古島へ渡った際は、劇中登場する「下地商店」にも行ってみた。美味かったのでお手製ニンニクの蜂蜜漬けを購入。
再生を逃避と受け取る人には向かない映画。そうでなければとても優しい。実際に離島を旅すると、様々な表情の人と出会う。世界中の種子を集めてた女性や、関東在住、都心だと人が苦手で引き籠もり、日常もヘッドホンが必需品、だけど与那国島だと解放されるから毎年夏は働きに来る、という女の子もいた。傷に対するセンサーが過敏だけど、感度さえ合えば人懐っこくて思いやりに溢れてる。それどころか距離感を深く理解してるから押し付けがましくない。生まれながらのサイコパスは別として、環境との相性は運だから、殻は成り行きになる。だから移動は正常な行動、場所が合えば枷も外れて笑顔になるのだろう。
映画は年代に捕らわれず青春群像を「キビ刈り隊」という一時の中で描いた良作。点で出会って線の日常へ帰って行く。テーマはそれぞれの逡巡や葛藤だけど、見終わった後はツーリングに出掛けたくなる。個人的にはロードムービーとして認識。
「ニライカナイからの手紙」
2005年6月
監督 : 熊澤尚人
☆☆☆☆
こちらも優しい映画、舞台は竹富島。竹富島へ足を運んでからもう10年以上が経過したので、今がどうなのかは分からない。新しいリゾートホテルが建設されて、雰囲気が大分変わったという噂も聞く。10年前ですら、コアな沖縄好きは観光地化された竹富島に興味がなくなったと話してた。2017年今年の夏、波照間島で知り合った沖縄在住のダイバーにメールした時も、波照間島でさえ「知り合った頃の感じではないよ」と返ってきた。八重山も年を追う毎に変化してるのだろう。でも、それは土地に住む人々が選択することなので、個人的には気にしない。
何にしろ大好きな島。オススメは人気が減る夕方から。石垣島の離島桟橋から船で十数分、目と鼻の先にある小さな島なので、昼間は日帰りの観光客が多い。でも竹富島から石垣島への船は午後になくなる。人が減り、日没から夜の竹富島が始まる。綺麗な島。夕暮れ時の西桟橋なんてとても穏やかで、各々がゆっくりと時間を楽しんでる。大好きな場所。この映画もオススメ。
「恋しくて」
2007年4月
監督 : 中江裕司
☆☆☆
監督中江裕司がBEGINのエッセイ集をヒントに石垣島の高校生バンドを描いた映画。前作の方が好きだけど、相変わらず音楽的だし、八重山の青春をストレートに描いていて、個人的には村上龍の「69」を思い出した。
「群青 愛が沈んだ海の色」
2009年
監督 : 中川陽介
☆☆
個人的にはあまり好きじゃない。でも映画は好みなので他人の評価なんて大した意味は無く、参考程度のもの。興味があるなら見てナンボかと。北の国からの最終話を思い出す「亡き王女のためのパヴァーヌ」が流れたりと、沖縄のイメージを別視点で捉えた映画。映像は綺麗。渡名喜島も行ったことがない。いつの日か。
「旅立ちの島唄~十五の春~」
2013年4月
監督 : 吉田康弘
☆☆☆☆
特別でなくとも、日常を丁寧に描けば伝わるテーマがある。でも取扱は難しく、表現が雑だと退屈で平坦な作品に。映画制作には多くの人とお金も絡むだろうから、強い拘りと勇気が必要になると思われる。でも上手く仕上がればいつまでも心に残るし、何度でも見返したくなる。これは、映画の持つ魅力の一つだと思う。
舞台は大東島、家族の心情を親子の視点と節目、島の文化を背景に綴った良作。映画は好みだから人それぞれとして、個人的にはオススメの沖縄映画。
大東島はまだ行ったことがない。未経験なので実際はどうか分からないけど、人も含め荷揚げはクレーンを使っていて、コンテナでも用意しない限り大型バイクでの上陸は無理と思われる。資金が潤沢なら挑戦もするけど、長旅になれば当然お金が掛かる。その資金は他で、となるのが現実。
昔GSX1300Rで与那国島へ渡った際、石垣島のターミナルで、もしも積載中に破損したり、最悪船が沈んだ場合責任が取れないから、バイクをフェリーに乗せられないと断られた。「想定済みだし自己責任で問題ないです。お金なんて請求しません。」と交渉して乗せて貰ったけど、大東島は与那国島よりも船着き場の環境がハード。多分原付でも壁が高いと思われる。でも離島でのバイクは最高に気持ちが良い。
今回は外したけど、戦争がテーマの作品含め、沖縄が舞台の映画は他にも沢山合る。場所だけを見れば「Hacksaw Ridge」もそうだし。全く好きになれなかった「ニライの丘」「サウスバウンド」など舞台も様々。
選んだ映画は好みが基準だけど、沖縄が舞台の映画を見たことがないかたは是非一度。